18年ぶりに人事制度を改定した苦労話(前編)|猫好き管理部本部長のはなし〜Part11〜
こんにちは。
ユニリタ コーポレート業務本部 本部長の金子です。
2025年が始まりました。
皆さん、良いスタートを切ることができましたか?
私は元日から風邪をひいてしまい、
残念ながら良いスタートではありませんでしたが、家にこもっていたため、おかげさまでnoteを書く時間ができました。
ということで、さっそく。
なぜ18年ぶりに人事制度を改定?
2025年といえば「2025年問題(高齢化社会の課題)」、「2025年の崖(IT・デジタル化の遅れ)」。
2025年を迎えた時点では、両方の問題に対して一定の進展が見られるものの、まだまだ解決とまではいたっていないですよね。
これらの課題は、引き続き対応が求められる長期的な問題であり、2025年を過ぎても、政府や企業による改革と新たな施策が必要でしょう。
また、多面的な法改正や制度の施行が予定されており、対応に追われる年でもありますね。
今年も忙しくなりそうです。
さて、長い前置きでしたが、
2024年4月、ユニリタは18年ぶりに人事制度を改定しました。
8カ月経ってようやく落ち着いてきたので・・
というわけはなく、
定着にむけて今も奮闘中ですが、忘れないうちにここまでの道のりを書いておこうと思います。
一言で言うと、「しんどかった~」。
正直、何回も「もう変えるのやめようかなぁ」と思いました。
という話です(笑)
ユニリタの人事制度は、2006年に導入した「職能資格制度」をベースとした人事制度でした。
そもそも職能資格制度は、社員の能力や職務遂行力に基づいて等級を設定し、それに応じて給与や役職を決定する人事制度ですが、
職務遂行力≠保有する能力(このくらいの能力があればこれくらい発揮できるだろう)
〇〇年くらいたてば□□□する能力は保有しているだろう
・・というなんというか、長く働いていれば少しずつ等級があがっていく(経験年数が重視される)
いわゆる年功序列型でした。
導入当初は当時のユニリタの戦略にマッチした制度で有効に活用されていたと思いますが、
あれから18年も経てば、時代も変わり、合わないところが出てくるのは当然のことでここ数年違和感を覚えながら運用していたと思います。
〇旧人事制度での課題はこんなにありました
・一度、そのランクになると落ちにくい(過去実績の積み上げ型)
そのため、勤続年数が長い社員の処遇・賃金が高くなり若手社員の処遇が 低くなる傾向にある。
・役職のある社員より処遇や賃金が高い役職のない社員が増える
・昇格条件が挑戦しづらい仕組みになっている
例)「直近3年の評価がB+以上でうちAが1回以上」
となっており、一度挑戦し失敗すると昇格の機会が先延ばしになる(また3年間やり直しになる)など、できそうな目標を設定した人のほうが昇格することもあり、新たなことへチャレンジする人財が育たない。
・成果を出した人や若手の抜擢が難しい
・等級定義書の内容がわかりづらい
・カリスマ的なスペシャリストが存在しづらい
組織マネジメントしたくない人がスペシャリストを選択する実態もある。
組織マネジメントをしない限り、等級が頭打ちになるためスペシャリストが育たない。
・最終評価は本部内での相対評価になるため、評価が高い社員が多い部署は他部署との比較において社員の評価が不公平となる問題がある
・人事評価がミッションと連動していない部門、チームがある
人事評価に記載されている目標が達成しても部門目標が達成されない。
これが一番問題。
頑張ったんだから・・では会社は成り立たないのだ。それが染みついてしまっている組織がある。
・評価軸に将来構想や挑戦がない
えっ!こんなにあるの?と思うくらいたくさんあるでしょ?
そして、もう1つ。
グループ会社の中にはユニリタとは違う人事制度を導入している会社もありました。
そのため、会社間のジョブローテーションがしづらい状況にあり、組織が硬直化しやすいという課題にも直面していました。
このような状態の中、ユニリタでは2022年度から人的資本強化をうたい、目指す姿として
経営戦略を実現する人財育成 ~あるべき姿明確化&能力・成果主義へ~
自律型イノベーション人財育成 ~多様な個の潜在能力を引き出す~
を掲げていましたが、今の人事制度のままでは限界があり、目指す姿の実現は厳しいと考え、人事制度改定を決意しました。
この時が2022年の秋くらいですね。
ちなみに私がこの本部の担当になってから半年しか経っていない頃でした。
ちょうどこの頃、永年勤続功労金制度の廃止に向けて(これも8カ月くらいかかりましたが)悪戦苦闘中の真っただ中でもありました。
今考えれば人事制度を改定するとよく言ったなぁ、と・・・。
まず一番はじめに、(人事制度を変える前に)1日でも早く対応できることとして、評価シートを変えることにしました。
ユニリタでは人事評価シートを、業績評価(成果に基づく評価)、行動評価(業務行動に基づく評価)の2軸で構成しています。
この評価シートを見直すことで、「旧人事制度での課題」のうち以下2つの課題への対応を行いました。
〇主な変更点
①業績評価の上期・下期を別シートで管理していましたが、すべてを同一シート内で管理できるようにする
年間通しての業務目標や進捗が一目でわかるようにするためです。
シートを別にしてしまうと、上期すでに達成した目標と同じ内容を下期に設定したり、上期の目標や実績がまるでなかったかのような下期目標設定をするなどの矛盾が生じないためです。
「あたり前だよ」と言われそうですが意外といます。
シートが別になっていると見落とすこともあります。
②評価表の上部に「本部ミッション」「部門ミッション」「担当役割」の欄を設ける
自己目標と上位目標のつながりがわかりやすくなります。
全員、自己目標を達成しているのにチーム目標が達成しない・・なんてことが起きないようミッションを実現するために何をすべきかを考えて設定できるようにします。
③業績評価、行動評価の評価点と評価基準を分かりやすく変更
④評価表に全等級の行動評価の評価基準を掲載
曖昧な表現を修正、自身の上位等級に求められる行動(キャリアパス)が一目でわかるようになります。
⑤行動評価項目を変更
将来構想・戦略構想、挑戦など、目指す姿に求められる行動評価軸を追加しました。
全社員向けへの説明会を2回実施。
あわせて評価者向けの研修も実施しました。
社員からの質問は、質問シートで受け付けましたが、問い合わせが56件。
資料の記載ミスや説明の仕方が分かりにくいなどの指摘や、かなり細かいところまでつっこんだ質問もありました。
社員が真剣に向き合っていることはこちらにも伝わりました。
この時に既に数名の社員から反発があり、この状態で人事制度改定ができるのかと不安はかなり大きかったのを記憶しています。
ちなみに質問に対する回答は慎重に行い、必ず人事部長、法務部長、私の3名で集まって回答を作って出す(単独で出さない)ことを意識して進めました。
実は(評価シートを変えるのは)人事制度改定と同じタイミング(2024年4月)でという考えもあったのですが、
1日でも早く、
・ミッションに紐づいた活動の重要性を意識する
・将来構想・戦略構想、挑戦が行動に現れる
これらを実現するためには、早めにスタートするべきだと考え進めました。
結果的にはこの時点で社員の色々な意見が聞けたことと、“変わること”に対する抵抗があることを(改定前に)経験できたことで、
後々の問題や負担が少し軽減され、少しだけスムーズに物事を進められるようになりました。
少しだけですけどね。
ということで2023年7月以降、本格的に人事制度改定に取り組むことになります。
長くなりましたので今回はここまで。
続きは後編で。
愛猫 つく音(ね)とささ美(み)
ねこ検定なるものを見つけてしまい、思わず初級を申し込んでしまいました。
試験は3月下旬。
ねこ検定だけにテキストは猫の情報ばっかり(当然ですが^ ^)
口の周りのヒゲが生える部分をウィスカーパッドという。
ウィスカーは頰ひげを意味していて、ひげの土台になる部分と解釈ということらしい。
知らなかった。。知ってどうする?
という気持ちがありつつも
役立つ情報もあるので楽しみながら勉強します。