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インサイドセールス体制の内製化→外注化を経て、実感した良し悪し

こんにちは、ユニリタの鵜澤です。

気づけばもう12月が終わりそうな時期ですね。

早く年末休みでゆっくりしたいと思う反面、ユニリタは決算期が3月のため、3Qが終わるこのタイミングは、4Qに控える今年度の活動の振り返りの準備や、来年度の施策立案について今のうちに考えねば・・・と頭を悩ませるタイミングでもあります。

私はインサイドセールスの施策立案、活動の管理を行っているのですが、活動の振り返りや施策だけでなく人員体制についても悩む機会が最近増えています。

ユニリタでは、2014年からインサイドセールスの活動を続けています。
チームが設立した当初は、若手社員を中心とした体制(内製化)で活動を実施していましたが、現在は外注した人員を中心とした体制(外注化)で活動してます。

インサイドセールスの体制は企業によってさまざまですが、他社のお話を伺うとよく聞く体制としては若手・中堅社員を起用した内製化で構築しているケースが多く、外注化した体制で構築するケースは中小企業でたまに見かける程度といった印象です。

どちらの体制が良いかは一長一短があり、方針、状況、目的次第なため、ユニリタでも今後また内製化する未来もありえる話です。

前置きが長くなってしまいましたが、
この記事ではインサイドセールスの内製化・外注化の経験を経て、自社のケースで感じたメリットやデメリットをまとめたいと思います。


内製化→外注化への経緯

ユニリタのインサイドセールス組織の経緯について少し掘り下げたいと思います。

2014年に当時の社長より新しい営業手法を考えるようにと伝達があり、営業組織の配下でインサイドセールスチームを立ち上げることになりました。

当初は若手営業(入社1〜4年目)を中心に1〜3人ほどで活動を開始し、毎年人員の追加、調整などを行い活動を続けていましたが、2020年から外注した人員を中心とした人員体制へ切り替え、現在も同体制で活動を続けています。

<体制の推移>

  • 2014年  2名 内製化

  • 2015年  6名 MA(Marketing Automation)ツール導入

  • 2016年  5名 

  • 2017年  5名 

  • 2018年  4名

  • 2019年  2名 

  • 2020年  1~3名 外注化 

  • 2021年  2~3名

  • 2022年~2024年  2名

体制ごとの活動内容

内製の体制の際は、新規・既存のお客様に対して、SDR(※1)を中心とした活動をしており、インサイドセールスの役割がMAツールを活用しリードナーチャリングを行う部隊と、電話・メールを用いて見込み客へのヒアリング、アポイント獲得を図る部隊の2部隊に分かれ、それぞれの活動を連携させて、案件提案の創出を図る取り組みを推進していました。

※1:SDR(sales development representative):「反響型」セールス
資料ダウンロードや体験版申し込みなど、能動的なアクションがあったリードに対するセールス活動。購入意欲が高い傾向がある。

2020年に外注化した際に、活動設計を見直しインサイドセールスの扱う商材を選出、特定の商材に対してのアクション件数、アポイント獲得件数を主な目標と設定し、SDRに注力する部隊として再編成し活動を開始しました。

両体制を経て感じたメリット・デメリット

上記の活動内容でそれぞれの体制を推進した上で、両体制を比較して感じたメリット、デメリットを以下にまとめます。

内製化のメリット:外注と比較して人件費を抑えて運用できるため、長期的な活動を推進しやすい

外注する場合、以下の理由により体制が安定しづらい側面があります。

  • 契約期間内で実績が伸びない、低下する場合や予算が潤沢でない場合に予算の削減対象として捉えやすい

  • 外注先企業の方針、事情によって人員が変動しやすい

そのため、外注化と比べて内製化の体制は、人件費を抑えられる側面がメリットとして大きく、人員の流動も比較的調整がしやすいため長期的な体制の維持、運用を推進しやすいです。

内製化のデメリット:社員のモチベーション維持、キャリア設計に苦戦

内製化の体制で苦労した側面としては、モチベーション維持やキャリア設計です。

インサイドセールスの取り組みが日本企業に普及し始めたのは2010年代以降のため、明確なインサイドセールスのキャリアパスが設けられている企業はごく少数な印象です。
他社のインサイドセールス経験者の方にお話を伺ってみると、現職ではフィールドセールスやマーケティングなどの担当者へ異動しているケースが多いですが、現職に至る経緯は企業によってさまざまでした。

ユニリタでも、立ち上げた初期の段階は試験的な側面で始めた活動というバイアスがあり、若手社員にとっては自身のキャリア設計に不安を感じる要素もあり、退職など人員が安定しない時期がありました。

また、インサイドセールスは営業活動に分類されますが、あくまで商談化の見込みのあるリードを創出する専業部隊であり、製品の提案~受注の対応は行わないため、「アポイントを取る仕事」という意識になりやすく、営業志望の新入社員にとっては、思い描く営業像とのずれや、達成感の要素が弱く感じてしまう面がありました。

外注化のメリット:即戦力の人材確保、課題に対してのノウハウを持っていることが多い

インサイドセールスの外注は以下の課題の対策として進められました。

  • 課題1:SaaS商材のセールスリソース不足

  • 課題2:LoBリードの枯渇および事業課題の理解不足

外注することで、リリースして間もない新規クラウドサービスのセールスリソース不足や、SaaS商材に対してのセールススキルを補うだけでなく、外注先が保有する顧客情報リストを基にBDR(※2)による新規開拓を進めたことで、アプローチ対象のリードが枯渇する状況に対して効果的なリカバリーを実現できました。

また、新規サービスのニーズが仮設した市場にあるかの現状調査としてもインサイドセールスの活動は効果的だったため、外注することで迅速に調査を開始することにもつながりました。

※2:BDR( business development representative):「新規開拓型」セールス
ターゲットとする企業に対してコールなどのアプローチを行う。
コールドコールをしなければいけないので、戦略的かつテレセールスの経験値が高くなければ成果に結びつけづらい。

また、元々インサイドセールスの知見があるため、業務の委託だけでなくセールス対応に対する課題のフィードバックや提案も適宜していただける企業も多く、外注化の大きなメリットに感じています。

外注化のデメリット:取引先の方針、担当者の相性にパフォーマンスが依存しやすい、人員が流動しやすく、企業によっても提案幅はさまざま

想定しやすいデメリットですが、外注する取引先の戦略や人材配置の方針によって、不定期で担当者の変更が起こりえることが実際に複数回ありました。

外注することで人材育成の工数を抑えられる半面、担当者が不定期で替わることがあるため引き継ぎの作業の発生や、社内の関係者との連携面の弱さ、ノウハウがある程度しか蓄積できない点などは今後も課題になる点です。


最後に

今回の記事は自身の業務において感じたことの備忘録という意味合いも含めて書かせていただきました。

ユニリタの現状の体制が企業・組織の方針や状況に適しているかは常々頭を悩ませますが、現状維持に固執しないよう、今後も精進していきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
この情報が読んでくださった方にもお役に立つ部分があれば嬉しいです!