ユニリタの歴史 Part6 〜Web2.0からの進化〜
皆さん、こんにちは。
ユニリタ 辻です。
この記事では、IT業界やユニリタの歴史を振り返り、ユニリタがどのようにして成長してきたか、どのような活動をしてきたかを紹介し、ユニリタがどんな会社なのかをお伝えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
今回は2000年代からのインターネットの進化と、その進化において重要な役割を果たしたWeb2.0という概念を通じ、当時のユニリタの活動について紹介したいと思います。
Web2.0がもたらしたビジネス改革
Web2.0とは、GoogleやMeta(旧Facebook)などの企業が提供するサービスを通じて、自由にWeb検索ができ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で情報を発信できるようになったインターネットの時代を指します。
Web2.0以前のWeb1.0と呼ばれる時代は、情報の送り手と受け手が固定されており、メールなどでコミュニケーションは取れるものの、今のようにインターネットで個人同士が情報を自由にやり取りすることはほとんどありませんでした。
主にテキストベースのページがほとんどであり、画像や動画といったコンテンツはそれほど多くはありませんでした。
Web2.0の時代になると、インターネットは劇的な進化を遂げます。Googleの検索エンジンが登場し、ユーザーは自由にウェブ上の情報を検索できるようになります。
また、SNSの台頭により、個人同士が情報を共有し、交流することが可能となっていきます。
FacebookやTwitterなどのSNSプラットフォームは、ユーザーが自分の意見や写真、ビデオなどを投稿し、他のユーザーと簡単にコミュニケーションを取ることができる場です。
さまざまな情報がリアルタイムで共有され、口コミなどの貴重な情報を簡単に集めることができるようになると、消費者の購買行動にも大きな影響を与えるようになっていきます。
さらに、有名なインフルエンサーや友人の投稿などが、製品やサービスの魅力を伝える役割を果たし、消費者の購買欲を刺激する要素として重要な役割を果たすようになっていきました。
端末や通信インフラの整備も進んだことで、インターネットはますます一般化し、情報の取得と共有が容易になりました。
ユーザーはさまざまなサービスやプラットフォームを活用して、自分の関心やニーズに合った情報を見つけ、発信することができるようになりました。このような進化は、インターネットが私たちの日常生活において重要な役割を果たすようになった一因と言えます。
そして、ビジネスの世界ではeビジネスの時代が到来しました。特にB2Cの領域では、楽天市場を代表とするインターネット通販の総合ショッピングモールが急速に増えていきます。
従来の店舗型のビジネスモデルからオンライン上での取引に主流が移り変わっていきました。企業はインターネットを活用して製品やサービスを提供し、消費者は自宅やオフィスから簡単に商品を購入することができるようになり、地理的な制約が縮小され、時間や場所にとらわれない柔軟な取引が可能になることで、従来のビジネスモデルでは想像もできなかったような変革が起こり、インターネットがビジネスの中心的な役割を果たすようになりました。
進化するビジネスモデルに対するユニリタの取り組み
このような時代の流れの中で、B2Bのビジネスを主流にしていたユニリタでは、メインフレームユーザー向けに革新的なサービスを提供しました。
その一つが、メインフレームのエミュレーターである「EXTES(エクステス)」をベースとした、メインフレーム上のアプリケーションをWeb化する「EXTES Xuras(エクステス ジュラス)」です。
「Xuras」という名前は、メインフレームを過去の遺物と捉え、メインフレーム上のアプリケーションをWebアプリケーションに生まれ変わらせるツールというコンセプトのもと、恐竜を現代に甦らせた映画「ジュラシックパーク」にちなんで名付けられました。
現在は、機能を統合した「EXTES Plus(エクステス プラス)」として進化を遂げています。
また、当時提携していた「ソフトウェアAG」は、世界初のXML対応データベースである「Tamino(タミーノ)」を開発しました。XMLはデータの構造や意味を保持するためのマークアップ言語であり、eビジネスの発展において重要な役割を果たしました。
「Tamino」はXMLデータを効率的に格納・管理・検索するためのツールであり、企業はeビジネス対応のアプリケーションを開発する際に利用することができました。
当時、某官公庁の採用され、多くの都道府県に導入されたことを覚えています。
さらに事業の一部を子会社化しアスペックス(ASPEX)を設立しました。
ASPEXはその名前のとおり、ASP(Application Service Provider)として社会交流の場(Exchange)を提供する会社として設立されており、人材派遣業に特化した勤怠管理システム「DigiSheet(デジシート)」の販売を行い、人材派遣業界とともに成長しました。
アスペックスは現在ではヒューアップテクノロジーに社名を変更し活動を続けています。
時代の変化に対応し続けるユニリタ
このようにユニリタはWeb2.0によって変化するビジネスのトレンドに合わせてさまざまなツールを開発し提供してきました。
その中でも特にお伝えしたいのは、「infoScoop(インフォスクープ)」です。
「infoScoop」は、当時の三菱UFJフィナンシャル・グループのシステム子会社である三菱UFJIS(現在の三菱UFJIT)とユニリタとの共同開発で生まれた企業情報ポータルです。
三菱UFJフィナンシャル・グループでは、三菱銀行と三和銀行と東京銀行の合併に伴い、システム統合への再構築が行われていました。
この統合に関するプロセスは、メーカー、パートナーを含めて6,000名を超す技術者が開発に従事していた一大プロジェクトでした。
「情報共有の仕組み」として、当時の主流であり、短期開発が可能なグループウェア「Lotus Notes」を利用していたところ、開発スキルの継承やサーバーインフラの運用不可の問題から、これにかわる、より先進的な次世代情報基盤が必要となり、共同開発することとなりました。
ここから生まれた新しい次世代情報基盤が「infoScoop」になります。
「infoScoop」の特長はユーザー・インターフェース(UI)の開発に、当時珍しかったWebアプリケーションの新しい開発技法「Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)」を全面採用したことです。
UIの開発にAjaxを採用することで、ポータルシステムのサーバーを介さずに、システム利用者が自身のPC上で情報の選択や画面のレイアウト変更などのパーソナライズを行えるようになり、ユーザーは自由度の高い情報閲覧を享受することができました。
例えば、システム利用者がマウスでメニューバーからメニューをドラッグし、空きスペースにドロップすると、Webページの再読み込みをせずにメニューの内容が展開されるという革新的な機能です。
また、当時フリーミアムというビジネスモデルが台頭してきました。基本となるサービスや製品を無料で提供し、より便利に使うための機能や上位プランに移行する際に課金が必要となる、今では一般に普及されたビジネスモデルです。
「infoScoop」もこれに伴い2010年にエンタープライズ情報ポータル分野では、国内初のオープンソースソフトウェアとして提供を開始しました。
2010年代も中盤になってくると、クラウドサービスの普及が進み、各サービスへのログインとパスワード管理の課題が顕著化してきました。
IT部門では、それぞれのサービスによりパスワード設定ポリシーやルールが異なるため複数のIDパスワードが必要となり、管理が煩雑になります。
ユーザー部門では、サービスごとに異なったログインを要求されることで業務の生産性を落とす結果となり、シングルサインオン(SSO)への要望の声が大きくなっていました。
そこでユニリタでは、対象のサービスがオンプレミスかクラウドに関わらず、ポータル上に組み込んだSSO基盤によって統合するというユニークなコンセプトのSSOツール「infoScoop SSO」を2014年に発表します。
このように企業情報ポータルとして始まった「infoScoop」はその時代のニーズや要望に合わせて進化を続け、現在ではSSO、ID管理、API管理、セキュリティブラウザの機能を拡張としたIDaasツール「Digital Workforce(デジタル ワークフォース)」として25万人のユーザーに利用されています。
また、コミュニケーションサービスとしてSaaS提供を始めた「infoScoop Smart×Portal」は、現在は「CommuRing(コミュリング)」として展開されています。
このようにユニリタは常に時代に則した革新的なサービスを提供し、ビジネスのトレンドに先駆けて進化してきました。その使命はお客様の課題解決と価値創造にあります。
ユニリタはお客様のニーズを理解し、そのニーズに合わせて最新のテクノロジーやサービスを提供することで、お客様のビジネスをサポートしてきました。
これからもユニリタは、お客様とともに成長し、お客様のビジネスに価値をもたらすパートナーであり続けることを目指して活動していきます。
Web2.0の流れから始まった2010年台以降のビジネスの変化に合わせて、ユニリタがどのような取り組みを行ってきたかをご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
次の記事では、ユニリタが提供しているサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」の誕生から現在までの成長の歴史を、クラウドサービスの発展に合わせて振り返りたいと思います。
ぜひご期待ください。
これまでの記事を年代別で、まとめてみました。
1970年代~ ユニリタの歴史 Part1 〜黎明期編〜
1980年代~ ユニリタの歴史 Part2 〜A-AUTO編〜
1980年代後半~ ユニリタの歴史 Part3 ~PCの台頭とデータウェアハウスへの取り組み〜
1990年代~ ユニリタの歴史 Part4 ~データウェアハウスの本格的台頭〜
2000年代~ ユニリタの歴史 Part5 ~「システム管理者の会」の設立秘話~
2010年代〜 ユニリタの歴史 Part6 〜Web2.0からの進化〜